Lipstick

第六話 完 田崎邸 田崎金太郎の寝室

いびきをかいてよく寝ている田崎 弥生、咲季、茜、淳子が布団の上にドカッと座り込む 驚いて飛び起きる田崎金太郎

田崎「何だね、君たち」

弥生「こんばんは先生」

茜  「ハーイ」

咲季「はじめまして」

淳子はウインクで挨拶 田崎は慌ててセキュリティーのボタンを押す、押す、押す

弥生「先生、無駄ですわ」

田崎「おーい、誰かー」
わめきだす田崎

茜  「しーっ! みんなお休みしてるんだから、騒いでも無駄だと思うなぁー」
田崎あらためてリップスティックを見る

田崎「ドロボーか? 脅迫か?」

弥生「私たちそんな物騒な者じゃないんです。むしろ先生の仲間になれるんじゃないかなぁーなんて・・・・・うふふ」

田崎「・・・・・・・」

弥生「私たちの調査力を知ってもらうために」
亜細亜物流センターの資料を布団の上にばら撒く

田崎「んー!」

弥生「ギブアンドテイクですは先生、仕事ぶりがもし気に入ってもらえたら、私たち先生のお手伝いをさせて頂きたいの」

淳子「挨拶がわりに『これを』先生に買ってもらいたくて・・・・・」

咲季「若い女の子は、お小遣いがいーっぱいいるの」
4人は田崎にお色気で迫った

全員「ねぇー先生〜」

田崎「・・・・・はっはっはっはっ、君らは若いのになかなか目の付け所がいいなぁー気に入ったよ」
とニヤニヤといやらしい目付きになっている 淳子がべったりと田崎に寄り付いた

淳子「密入国って儲かるんでしょ」

田崎「うん、まあね」

淳子「この秘書の広瀬良一さんのお知恵なんでしょ? あら、ちょっといい男ね」
これ見よがしに、うっとり写真にキッスする淳子 むっとする田崎

田崎「バカ言っちゃいけないよ、こんな若造に何が出来る!」

弥生「じゃぁ、やっぱり先生のお力の為せる業かしら?」
田崎、弥生の手をとり撫ぜながら、自慢げに話し出す

田崎「いゃね、密入国に関する内訳を自慢げに話す(考え中)」

咲季「なるほどね」

弥生「さすが先生」

茜  「本当ですか」
などと、リポーターの様に相づちを入れる

田崎「金は天下のまわり物とか世間じゃ言うそうだが、ワシャ違うと思うな、金は知恵と権力を持つ者だけにまわってくるんだよ。 はっはっはっ」
さっと手のひらを反したようにメンバーの顔色が変わり 田崎はあっと言う間に縛り上げられた

田崎「なっ、何のつもりだ!」
メンバーは立ち上がり田崎を見下ろした

弥生「ちょっと、おじさんさー、調子のり過ぎ」

田崎の顔に近寄るリップスティック、田崎の姿が影になっていて見えない
リップスティックの笑い声「フフフフフ」

田崎「やめろ、やめろ! 何するんだ!」

リップスティックが離れると、田崎はピエロの様にメイクされている 最後に、田崎の首にリップスティックのメッセージカードを掛ける 『偉い人ほど悪いことをしてはいけません by/Lipstick』と赤いキスマークが付いていた

咲季「自供ありがとね。いろいろ勉強になりました」
田崎は怒り心頭で、どなった!

田崎「お前ら小娘に何が出来る? 早く縄をとけ! ワシを誰だと思っとるんだ!!」

茜  「あっ、そう? 槙姉! プレイバックよろしく!!」
今しがた田崎が自供した声が屋敷中に響き渡る 田崎の顔が青くなる

田崎邸 廊下

慌ただしく走るボディーガード達

ボディーガード「先生ー!」

ボディーガード「センセー」
ボディーガード達が、どかどかと血相をかえてやって来る

田崎邸 田崎金太郎の寝室

天井裏から顔を出し、脱出を促す槙子 淳子、咲季、弥生、茜と次々と鮮やか飛び上がる

槙子「たいへん、お邪魔しました」

河川敷でピクニック

のんびりとした午後、メンバー全員でガヤガヤ騒いでいる

茜  「来週からテストか・・・・・」

咲季「わたし・・・英語捨てるわ。 あー、あと数学も・・・・・」

槙子「理数だったら教えてあげるよ」
茜、咲季、淳子、おねがい猫のポーズ 吹き出す弥生と槙子

淳子「茜は勉強しなくていいじゃん」

咲季「そーだよ、空手で大学いけるじゃん」

茜  「いやだ! 日体大でしょ・・・皆と一緒の大学行きたいもん」
咲季と淳子はニャッと笑った

淳子「茜は日体大って言うよりも肉体大学じゃないの」
淳子は茜のウエストをひねって走り出した

茜  「痛い、なにするのよぉー」
淳子を追って走る

咲季「まってよー」
茜を追って走る その時、お尻に敷いていた新聞紙が風で舞い上がった ストップ そこには田崎金太郎が起訴されたと言う記事が大きく掲載されていた ストップ解除
淳子、咲季、茜は遠くで戯れあっている 弥生と槙子は笑顔で見守っている

メンバー達、川の堤防に座って、キラキラする水面を見ている エンディング曲を歌いだす

エンドロール the end

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