Lipstick

第四話 賑やかな店内のがやがやがバックに聞こえる

淳子「やったわよ! ターゲットに大接近! 早速、明日おデート ふふふふ・・・」

弥生「流石、淳子さん。ごくろうさまです」

淳子「それでさー奴ら摘発された「国際人日本語学校」が今までの裏事務所だったらしいんだけど最近鞍替えしたんだって、それがね何と亜細亜物流センターなんだって! 超びっくりで(笑う)」

弥生「やっぱり・・・・・」

淳子「やっぱりって何よ? それで、そっちはどう? 茜は・・・」

亜細亜物流センター内 広瀬の部屋 夜

暗闇の中でデスクの書類をリップスティッカメラで写しまくる茜
ぱっと室内に明りが灯る 驚く茜

男1 「ここで何してる?!」
男2が茜を取り押さえる もがく茜

亜細亜物流センター 倉庫

男1,2が茜を椅子に縛り付けている

男3 「あの部屋で何をしていたんだ」

男1,2は容赦なく茜にビンタと蹴りを入れる ボートピープルに徹している茜は悲鳴ひとつあげない さらに暴行はつづき茜の意識が朦朧としていく

亜細亜物流センターに向かう車の中 夕方

広瀬良一の携帯が鳴る 声の主は淳子

広瀬「ああ君か、昨日はどうも」

淳子「約束、忘れちゃった」

広瀬「はははは、いや、いや、覚えてるよ」

淳子「あたし、広瀬さんに早くあいたいなぁーなんて・・・・・」

広瀬「それは嬉しいね、今どこに」

淳子「町・・・」

広瀬「へーっ偶然だね、僕もちょうど町の事務所に向かっているところだ」

淳子「ほんと! ラッキー」

広瀬「じゃぁ、近くまで行ったら連絡するよ」

亜細亜物流センター 外景 夕方

広瀬の部屋 デスクワークしている広瀬 応接セットに深々と腰掛ける淳子 とても高校生には見えない お色気ムンムン

広瀬「ちょっと待っててね、いくつか資料をチェックするだけだから」

淳子「うふふ・・・」

ノックの音、陳が入ってくる

広瀬「なんだね?」

陳  「昨夜、中国人のオンナがこの部屋に入って、ごそごそしていたもんで」

広瀬「何?」
ドアが開くと男1に引っ張られ、後ろ手にくくられた茜が飛び込んできた

男1 「このオンナです」
陳が広瀬に一生懸命説明している 茜と淳子はアイコンタクト

淳子「・・・あの、わたしお手洗いお借りしたいんですけど」

広瀬「ああ、どうぞ」
淳子は茜のそばを通りドアへ向かう、その時、茜はリップスティックカメラを、淳子はミニナイフを素早く交換する

淳子「ちょっと失礼」
男1に色っぽく目くばせしながら廊下へ出る淳子

広瀬の部屋前の廊下

茜の立ち回りの音
淳子は「ほっ」とする そして笑顔になる

広瀬の部屋

茜は男1を肘うちし投げ倒し、陳をボコボコに蹴倒し、素早くドアから逃げる
ヘロヘロになりながら追いかける陳と男1に、わざと出会い頭を決め込み「ごめんなさい」と謝りながらも、とうせんぼする淳子
振り飛ばされる淳子「キャー」
オーバーに倒れこみ尻餅をつく淳子

淳子「いたーい、腰、腰うっちゃったぁぁ」 泣き出す淳子
広瀬は、一瞬の出来事に何が何だかわからないまま淳子を抱き起こす

淳子「あーっ痛タタタタッ、あの人たち何よ! ひどいじゃない!」
広瀬さらに淳子を抱き起こす

淳子「ぎゃーダメ! こりゃぁギックリ腰みたいだわ」 
残念がる淳子

広瀬「・・・・・」

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